秘密
今夜は一人でシャンパン片手にお祝いです。
安物の1本だけど、一人で開けて一人で飲むのはまた格別。
普段は一人で飲むのは缶と決めているけど、今夜は特別。
なぜなら、結婚記念日だから。
我が家は結婚記念日と入籍記念日が別々なので、だあれも覚えていないので
一人でお祝いだ。
時々、思うのだ。
あのとき、勇気を持って結婚をやめていたらどうだったのか、
この結婚を選んだのは成功だったのか?
だが、選んだのは自分だ。
そして愛しい子供も得た。
それだけでこの結婚には意味があったのだと。
そう、よかったと思う。
本当に、可愛い、いとおしい子供を得られた幸せはこの6年で与えられた苦しみや憎しみと
引き換えた甲斐ががあった。
いや、それ以上に得がたい宝で、私の心の平安だ。
情緒不安な中育てたにも関わらず、優しい子に育ってくれてよかった。
ひょうきん過ぎて、誰に似たんだろうと思うこともあるけれど
お腹にいるときに劇団☆新感線なんて観に行ってたんだから仕方ない。
せっかく名前も芸術に向く名前をつけたのだから、個性豊に育って欲しい。
自分という個性を持って育って欲しい。
せめて、私より一日でも一時間でもいいから長生きして欲しい。
どんな道を選んでも認められるように、あなたが大人になったとき
私も成長していたい。
あなたが私たちのことを思い、躊躇せずに生きられるように
私は自分の道を作り続けたいと願う。
あなたはあなた。
私はわたし。
血で繋がっている事実は消えない。
どんなに離れていても、どんなに異なる道を歩いても大丈夫。
自分の願う道を歩きなさい。
大丈夫、大丈夫、それが私の口癖だとあなたはいうけれど
大丈夫、大丈夫、そう口にしながら私も鎧をつけたのだ。
強くなろうとするときに、あなたもきっと強くなれるよ。
強さも優しさも頑固さも、同じものなど望まなくていい。
あなたが大切に思うものを守れる形で手にいれなさい。